木々は倒れ、ガラス扉は吹き飛んだ
~息をのんだ台風15号の被害

木々は倒れ、ガラス扉は吹き飛んだ
~息をのんだ台風15号の被害

木々は倒れ、ガラス扉は吹き飛んだ
~息をのんだ台風15号の被害
150 150 千葉のゴルフ場【ブリック&ウッドクラブ】

「ゴルフ場の再開はいつ出来るだろう…。」連なる大木がコースに倒れこんでいる光景を前に、あるスタッフは、そう思って言葉を失ったそうです。大暴れした台風15号の暴風雨は、BWCにも甚大な被害をもたらしました。

6番ホールの左フェアウェイバンカー横、4番ホールのバックティー前では、木々が根こそぎ倒され、3番グリーンの横のカート道は、路面が倒木ごとめくられました。6番ティーグラウンド横のトイレ小屋には倒れた木が何本も覆いかぶさり、クラブハウスは、レストラン棟南側のガラス扉が全て吹き飛ばされました。

このような惨状に加え、その後1週間に及んだ停電が、事態を一層深刻にしました。BWCでは井戸水をポンプで汲み上げているので、電気がこないと水が全く出なくなります。勿論、トイレも使えず、電話も携帯も通じません。それでも、スタッフ総出による復旧作業はすぐに開始されました。コース管理課、マスター室、ラウンジ、厨房、事務局…、文字通りの「総出」です。停電が続く中、自分たちの暮らしも心配しながらの出勤でした。

倒れた大木の処理は、チェーンソーによって根っこの部分から木を切り離し、その木をさらに細分化して軽トラックで運び出す、この作業を何度も何度も繰り返しました。コース内に散乱した枝葉は気長に竹箒でかき集め、周囲には枝葉の山ができました。飛んできた葉っぱや枝で埋まったバンカー内の掃除、カート道路に流れ出た泥水の除去・・・、気の遠くなるような作業が懸命に続けられました。

事務局では、1台所有していた発電機をマスター室前に設置。連絡を取り合う無線機の充電や、外部との連絡に使うパソコン、飲み物冷蔵庫の電源にしました。厨房の冷蔵庫・冷凍庫にある食材は、全面廃棄せざるを得ませんでした。そして、可能な限りクラブハウス周りの原状復帰に取り組みました。飛ばされたレストラン棟のガラス扉は、レストラン内の喫煙コーナーとの境目の扉を外して、これを代用することに。雨風が吹き込んだレストラン棟の清掃、テラスの屋根の修復、泥だらけになったテニスコートの掃除・・・。この間、女性スタッフのトイレタイムは、車で高滝記念館を往復しました。

コース使用に一定のメドがたった14日(土)には、急遽リースした中型の発電機を用いて井戸水を貯水槽に汲みあげ、水だけは出るようにして、トイレが使えるようになりました。停電中なので営業再開には至りませんが、翌15日の日曜日、メンバー達にクラブへの来場を呼び掛けました。この呼びかけに応じて駆けつけたメンバーは79人。支援のための協賛金や、スタッフへの差し入れの品もたくさん集まりました。電気が点かないので、仮の受付台が屋外に設けられ、トイレでは携帯ランプを使用、ロッカー室も薄暗く、お風呂は使えません。それでも、マスター室前には、一見、これまでと何ら変わらない賑わいの風景が広がりました。朝食はなしでしたが、昼食時には、直前に仕入れた食材によるおにぎりやサンドイッチなどが、無料で提供されました。

「急の呼びかけにもかかわらず、これだけ沢山のメンバーが来てくれたことが、本当に嬉しい」とスタッフの一人は語っていました。そして、この日の午後、待ちに待った電気が7日ぶりに復旧。夕刻にはクラブハウスにようやく明かりが灯ったのでした。

今、BWCは、コース内に台風の爪痕が残っているものの、通常営業を再開しています。近年の異常気象によって、同じような災害が再び発生する可能性は十分に考えられます。今回の被災経験は、今後への備えを考えるうえで大いに活かさなくてはなりません。「メンバーが運営するゴルフ場」を標ぼうする私たちですが、スタッフの苦労がそれを支えていることを、改めて実感した1週間でした。復旧活動に全力で取り組んでくださったスタッフ全員に、心から感謝の意を表したいと思います。本当にご苦労様でした。そして有難うございました。

千葉県内では、未だに停電が続いている地域もあり、その後の悪天候も各所の復旧作業を阻んでいます。
農作物や経済活動への影響、家屋損壊など、被害の全体像がわかるには、まだ時間がかかりそうです。
被災したすべての皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。 (9月20日 記 BWC広報委員会)